小児外科チームについて
1. 臨床
当科では、新生児から15歳までの小児にとどまらず、小児特有の疾患を抱えた患者様に関しては成人期を迎えたあとも診療を継続しています。小児外科で扱う疾患は多岐に及び、鼠径ヘルニア、停留精巣、臍ヘルニアなどのcommon diseaseから、急性虫垂炎、腸重積症などの急性腹症、食道閉鎖症や横隔膜ヘルニアなどの新生児外科疾患、小児固形腫瘍、胆道閉鎖症や胆道拡張症、胃食道逆流症などの消化器疾患、膀胱尿管逆流症や水腎症などの小児泌尿器科疾患、嚢胞性肺疾患や気胸などの呼吸器疾患、胸腹部外傷など、あらゆる小児外科疾患を診療しています。
「当科で治療している主な病気」の詳しいご紹介
【診療体制】
日本小児外科学会の専門医・指導医を中心としたチームが、小児科医や小児医療センターの経験豊富な看護師と協力して治療にあたっています。入院数は年間約350例、手術件数は年間約300例(うち新生児症例は約25例)です。
【当科の特色】
- 若くて熱意ある医師によるチーム
- それぞれが得意とする専門分野を持つ、若くて熱意ある医師で診療チームを形成しています。患者さんにとって最適の医療を提供できるように、日々熱い discussion を行いながら診療を行っています。
- 女性医師を多く含むチーム構成
- 関連施設を含めた東大小児外科グループでは、多くの女性医師がそれぞれのライフスタイルに合わせた勤務形態で、関連病院を含む臨床の第一線で活躍しています。現在の東京大学小児外科チームにも女性医師が配属されており、女性ならではの視点、意見を取り入れながら診療方針を決定しています。
- 患者さんの負担が小さい(低侵襲な)治療の提供
- 当科は、従来の開胸・開腹手術よりも患者さんの負担が少ない(低侵襲といいます)、胸腔鏡手術や腹腔鏡手術を含めた内視鏡手術を得意としています。小さな傷から専用の機器を用いて行う手術のため特別のトレーニングが必要ですが、関連施設と協力しながら東大小児外科グループとして十分なトレーニングを積み、最新、最高レベルの手術を提供するように研鑽しています。傷が小さいため将来目立たないというだけでなく、術直後の痛みが少なく、回復も速やかです。
- 各領域のスペシャリストと連携したチーム医療
- 小児医療センターにおける小児科(新生児グループ、循環器グループ、腫瘍グループ、神経グループ)、産科だけでなく、大学病院である強みを生かし、必要に応じて消化器内科、放射線科、リハビリテーション部など、各領域のスペシャリストと連携したチーム医療を行っています。
2. 研究
当科では、小児疾患に関わる多岐にわたる研究が長年にわたり続けられております。現在も数多くのプロジェクトが継続中で、国や民間財団からの種々の研究助成をいただきながら、当該分野の一流の基礎系研究者や工学系研究者、臨床疫学・統計の専門家と共同研究を行っています。東大小児外科グループは多くの関連施設を持ち、国内有数の症例数を誇る関連施設も含まれており、関連施設と協力して臨床研究を行うことにより、臨床的に有意義な強いメッセージを発信することを目標にしております。
3. 教育(研修プログラム)
小児外科は一般外科領域の中の子供に特化した外科専門分野です。東京大学小児外科では、まず一定期間、外科医としての研修を行い外科の基本的技術と知識を習得したうえで、小児外科の専門的な研修を行う教育プログラムを採っており、外科専門医と小児外科専門医を取得することを目標としております。