トレーニングシステムについて

小児外科を志す方へ

東京大学小児外科の小児外科トレーニングシステムでは、初期研修ののちに卒後3、4(~5)年目でまず一般外科医としての技量と知識を習得し外科専門医を取得していただき、その後、小児外科医としてのトレーニングを開始します。小児外科トレーニング開始後3年を目安に小児外科専門医取得に必要な臨床経験を積みます。
  1. 初期臨床研修 [卒後 1、2 年目]

    臨床研修医としての修練
  2. 後期研修・外科専門研修 [卒後 3~4(5)年目]

    一般外科医としての基礎を修練し、外科専門医取得を取得
  3. 小児外科医専門研修・トレーニング [卒後 4(5)年~]

    本格的に小児外科に専従し、小児外科医としてのトレーニングを開始します。3年を目安に小児外科専門医取得可能な経験を積みます。

入局時期について

入局希望を教えていただく時期としては、大きく分けて ① 初期研修開始時(大学卒業時)、② 後期研修・外科専門研修開始時(卒後3年目頃)、③ 小児外科専門研修開始医(後期研修・外科研修終了時、卒後5,6年目頃)があります。どのパターンの場合でも、最初は東大病院にて研修を行っていただいています。

  1. では、初期臨床研修を東京大学医学附属病院で行い、その後の後期研修・外科専門研修は最初から東大の一般外科系関連病院で行われます。2(~3)年の外科専門研修ののちに、東大病院小児外科およびその関連施設にて小児外科専門研修を開始します
  2. では、初期臨床研修を他院にて受けたのちに、後期研修・外科専門研修から東大病院のプログラムに入ります。最初の半年間は東大病院で外科研修を行い、その後約2年外科系関連病院にて一般外科研修を行います。外科専門研修終了後に東大病病院およびその関連病院にて小児外科専門研修を開始します。
  3. では、後期研修・外科専門研修まで他院のプログラムで修練を受け外科専門医の取得可能な経験を積んだのちに、小児外科専門研修を開始します。最初は東大病院にて小児外科研修を受けていただき、その後関連施設にて小児外科研修を行います。

上記 ①、②、③ のどちらを選ぶかは研修志望者の希望によって選択していただき、東京大学小児外科としてのお勧めはありません。また、上記以外のタイミングでの入局、小児外科研修も可能で、個別のご相談となります。なお、東京大学小児外科への正式な入局のタイミングは、①~③のいずれの場合でも小児外科専門研修の開始時となります。

小児外科専門研修について

東京大学小児外科では、入局者が将来的に小児外科専門医・指導医を取得できるように配慮した研修・ローテーションを行っております。最初、小児外科志望の若手医師には東大病院並びに多くの症例数が豊富で特色の異なる関連病院1施設2~3年程度を目安にローテートしながら経験を重ねていただき、バランスのとれた小児外科医の育成を心掛けています。多くの方は小児外科専門研修開始後3年程度で小児外科専門医を取得可能な臨床経験を積むことが可能です。小児外科研修後には、『小児外科疾患を総合的に理解でき、子供を安心してあずけることができる外科医』のレベルになっていることを目標としています。

小児外科研修開始後3~6年程度で、希望者は大学院へ進学し学内外で研究活動を行います。東京大学は大学院大学であり、基本的には大学院進学・学位取得を推奨しています。大学院卒業後は、各自の希望などに応じて東大病院または関連施設での小児外科臨床・研究・教育に従事します。大学院在学中、または卒業後に海外留学をする方もいます。

実際の研修などにおいては、子育て、育児、介護などの各個人の事情に十分配慮するように努めており、相談のうえで個別に様々な対応が可能となっています。

【医学部卒業後、東京大学での初期研修を選択された方】
初期研修中に当科で2ヵ月研修していただくことが可能です。2年間の初期研修終了後、東京大学外科の関連施設において2年半から3年間の一般外科のトレーニングを行っていただき、6年目には外科専門医を取得していただくプログラムとなっています。
【東京大学以外で初期研修を修了された方】
3年目の半年間、東京大学で外科専門研修医として小児外科を含む外科診療科にて研修をしていただき、その後、東京大学外科の関連施設において一般外科のトレーニングを行っていただき、同様に6年目で外科専門医を取得していただくプログラムとなっています。
【入局後】
外科外勤終了後、6年目で小児外科入局となります。入局後の進路は、大学院進学優先コースと臨床優先コースがあります。

大学院進学優先コースでは、外科外勤終了後に大学院へ進学し4-5年の研究生活に入ります。その後大学あるいは関連施設で小児外科臨床に従事し専門医を取得します。臨床優先コースでは、外科外勤終了後、大学あるいは関連病院で小児外科臨床に従事し専門医を取得します。その後研究を行い、学位を取得します。卒後6年目に日本外科学会専門医、9-10年で日本小児外科学会認定小児外科専門医、そして15-20年で日本小児外科学会指導医を取得する事を目標にしており、これまでに数多くの小児外科専門医、指導医だけでなく、内視鏡外科学会技術認定を輩出していることも東大小児外科グループの特徴です。また、学位取得前後に海外留学し、関連する研究領域の勉強をすることも可能です。

他大学および他院の外科研修プログラムを終了した5-6年目の先生方の入局も当科では積極的に受け入れております。また、卒業年度・経歴にかかわらず当科での研修を希望される方を歓迎いたしますので、関心のある方は、気軽にこちらまで御連絡ください。

なお、上記研修プログラムの概要は、専門医制度の変更に伴って変更となる可能性がります。